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導入事例

株式会社ブレインパッド


リスティング広告自動最適化ツール L2Mixer への最適化技術の適用

 
BrainPad Logo

国内: 国内

分野: その他

製品: Gurobi Optimizer

アナリティクスと最適化

高度情報化社会の現代、企業には大量のデータ、いわゆる「Big Data」が存在します。株式会社ブレインパッドでは、「Big Data」から必要とされる知識を抽出し、それらを企業の様々な施策に活用すべきソリューションを提供しています。最適化技術を活用したソリューションとしては、リスティング広告自動最適化ツール L2MixerASPサービスやその他お客様の要望に応じた受託開発も行っています。また、総合レコメンデーションツールRtoasterのレコメンドエンジン(カーネル法を採用)の開発も行い、包括的なマーケティングソリューションを提供しています。
特に、アナリティクスは、ビジネスにおいて必要不可欠な課題になってきています。なぜなら、膨大なデータの中から何が本当に必要で、どの様な分析を行えば、より正確で効率的な意思決定が行えるかが、ビジネスの成功をもたらす重要な鍵になるからです。更にインターネットが広く普及した現在においては、ネット上のデータ分析もその例外ではありません。検索エンジンサイト等の様々なサイトにおいて、リスティング広告が頻繁に行われています。検索したキーワードにより、自分の探しているそのキーワードに関連する項目に近い内容の広告が、サイトに表示されます。さりげなく見ているリスティング広告も、その裏では膨大なデータの分析が瞬時に行われています。広告主にとっては、リスティング広告のROI(費用対効果)を最大化する事が重要です。最適化技術は、このような効率的なリスティング広告システムのコア技術として活用させる事ができます。

 

図1 L2Mixer によるリスティング広告運用の自動化サイクル

リスティング広告自動最適化ツール L2Mixer

 

図2 L2Mixer による最適化入札のイメージ

 

 

株式会社ブレインパッドでは、インテリジェント機能を搭載したリスティング広告自動最適化ツール L2Mixerにおいて、数理最適化ソルバーとしてGurobi Optimizerを採用しています。大規模なケースにおいては、数十万から数百万キーワードを出稿しており、リスティング広告の自動最適化を実現するL2Mixerにより、出稿に伴う作業および運用を大幅に効率化する事ができます。Yahoo!/GoogleのAPIを利用した最適化計算による自動出稿により、広告主のリスティング広告出稿の運用負荷を劇的に軽減します。L2Mixerの自動入札機能では、1日の予算やCPC(Cost Per Click)などの制約条件を満たした上で、目標値(コンバージョン数など)を最大化する最適な出稿プランを高速に算出し、自動的に各媒体への入札を実行します(最適化入札)。図2は、L2Mixerの最適化入札のイメージです。例えば、3つのキーワードで「CPC 200円以下の制限でクリック数を最大化する」という目標設定の場合、図2の例のようにクリック数は向上し、CPCは改善されます。膨大な組み合わせパターンの中からGurobi Optimizerの最適化ソルバーが最適な入札の組み合わせを瞬時に見つけ出し、従来人に委ねていたリスティング広告のキーワード出稿計画を自動化します。L2Mixerは、担当者のスキルレベルに依存することなく、運用の効率化と安定化を図ることができます。

 

Gurobi Optimizer 採用にあたって

株式会社ブレインパッド
CSO ビジネス・ディベロップメント&営業統括本部
博士(工学)矢島 安敏氏

最適化技術は、AT&Tベル研究所のカーマーカー氏(N. Karmarkar)の内点法の発表をはじめ、1984年に転換点を迎えました。なお、1988年に東京で数理計画法国際シンポジウム(ISMP)が開催され、多くの著名な最適化の研究者が日本を訪問しています。それ以来、数理最適化ソルバーは、驚異的な進歩を続けています。大学時代から数理を専攻しており、Gurobi Optimizerは、日本での販売開始当初から着目をしていました。L2Mixerでは、Gurobi Optimizerの採用に至るまで、他の商用の数理最適化ソルバーを使用していました。以前のソルバーでは、SOS制約(区分線形関数を取り扱える制約)を高速に処理できなかったため、数百万のキーワードの最適化計算を行うのに1時間以上もかかっていました。2010年にGurobi Optimizerの国内での販売が始まり、評価テストを行ったところ10分以内で最適化計算を行う事ができました。また、L2Mixerは、ASPサービスでの提供となるため、中に組み込まれている数理最適化ソルバーがより安価であり、また、柔軟なライセンス体系が、より良いサービスの提供のためには重要でした。Gurobi Optimizerは、価格の面においてもライセンス体系においても非常に満足がいくソルバーでした。Gurobi Optimizerにより、ハードウェアへの投資が、ソフトウェアの投資に大きく影響することがなくなりました。これらの理由により、L2Mixerのエンドユーザーの業務効率化を考慮し、Gurobi Optimizerへの入れ替えを決めました。株式会社ブレインパッドは、アナリティクスと最適化技術の組み合わせにより、他社とのサービスの差別化を今後も図っていきます。

Gurobi Optimizerは、MILP(混合整数計画)問題を他のソルバーより高速に解くことができますが、更なる高速化を期待しています。特に、ハードウェアのマルチコア技術の進歩に対応したアルゴリズムおよび最新技術の継続的な採用を期待しています。
Big Dataの分析が益々重要となってきている現代、それら膨大なデータを分析し、瞬時に最適な解を導き出すことを、お客様が要求し続ける事は必然です。高いパフォーマンスを誇るGurobi Optimizerにより、最適化技術が今後も様々なビジネスの局面において活用されていくと確信しています。

株式会社ブレインパッド WEBサイト:
http://www.brainpad.co.jp
L2Mixer 製品 WEBサイト:
http://www.l2mixer.jp

 

株式会社ブレインパッド

2011年9月に東証マザーズに上場、2013年6月東証一部上場をした株式会社ブレインパッドは、2004年3月に設立され、クライアント企業の膨大なデータをワンストップで取り扱えるビジネスとして、行動分析を核とした最適なキャンペーンを実施するためにPDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを実現すべき包括的なソリューションを、コンサルティングを含め提供しています。特に、キャンペーンを実施した後のお客様からの反応をデータベースに蓄積し、的確に分析するアナリティクス分野などにおいて、最適化技術を活用しています。最適化の領域では、現在のコンピューター・パワーでも解決できない課題を解決するため、オペレーションズ・リサーチ(OR)や数理計画法をマーケティング領域に応用することで、お客様にとって最適な解を高速に算出するための独自システムを自社開発しています。最適化技術によって解決できるマーケティング上の課題は多く、様々なビジネス領域で、データマイニングとの組合せにより、劇的なROI(投資対効果)の改善を実現することが可能です。ブレインパッドのアナリティクス(分析)および最適化サービスでは、クライアント企業の様々な課題に合わせて、最適化技術を効率的に活用するための幅広いサービスを行っています。

 

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